目標と方針

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動機など

 電子回路というのは、物理というよりはむしろ工学に属する分野だと思う。しかしオームの法則やコイルやコンデンサの振る舞いについては物理の電磁気学の教科書に載っていることもあるし、高校物理の範囲にも含まれている。また、物理学の実験においても電子回路の知識が必要になるので、大学でも少しは学ぶのである。そういうわけで、電子回路と物理の境界はぼんやりしている。

 私がこの分野の説明にも手を伸ばすことを決めたきっかけは幾つもある。色々なタイミングが重なったのだ。

 電子回路についての質問メールは以前からたびたび届いていたし、需要を感じていた。子供の頃から電子工作を趣味にしていて長らくお休みしていたのだが、最近になって再び火が付いたということもある。子供にとっては難しかったところを自分なりに説明して、知識の再確認をしておきたい。現時点ではかなりいい加減な理解をしている可能性がある。


方針

 電子回路の解説記事はこれまでも何度か書こうと思ったのだが、毎度すぐに行き詰まってしまう。これが唯一素晴らしい説明法だという、いつものような信念が出てこないのだ。おそらく説明の目的が複数あって絞り切れていないせいだろう。

 電子工作の魅力を伝えられればいいのか、公式を駆使して回路設計ができることを目指せばいいのか、公式の意味までしっかり知っておきたいという人の期待に応えればいいのか、その根底にある物理現象にまで踏み込むべきなのか。これらのレベルには違いがありすぎる。

 表面の簡単な説明だけにしようと思って書き始めても、ついつい深くまで語ってしまう。はっきりとしたレベル分けなんてものはなくて、全ての話は連続的につながっているからだ。例えば電池と抵抗だけでも理論的にはかなり遊べるのだが、普通の読者としてはさっさとコンデンサやトランジスタの話が聞きたいところだろう。詳しく語りすぎるのも困りものだ。

 そこで、話が脱線しないように分かりやすく線引きをしたいと思った。これ以上の話は行き過ぎだとはっきり判断ができるような基準を決めればいいのではないか?

 あれこれ考えた末に、次のような分類に辿り着いた。「基礎知識」「直流回路」「交流回路」「半導体」「実用回路」「理論編(これはほとんど物理だ)」書く順を気にしているとどれから話していいか分からなくなるから、基本的に思いつきで、短い記事をどんどん上げることにする。どこに分類するかは書いた後に気分で決めることにしよう。面白ければどれから読んでも問題ないだろう。そういうものを目指そう。