図記号

何もかもが〜知らないうち〜に♪

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JIS 規格

 回路図に使う記号は JIS で定められており、おおよその統一がされている。1999年に改正が行われ、国際基準に合わせて統一された。国際基準だと言われると説得力もあるし、守らなくちゃいけないというプレッシャーも感じる。

 工業分野に携わる人はこの新しい規格に従う必要があるかも知れないが、私の説明の中では厳密には従わないつもりでいる。個人的には改正後の記号には改悪だと思える部分も幾つかあるからだ。作図の効率を考えたのかもしれないが、「見ていて楽しい」「ワクワクする」という視点がどんどん失われている気がする。この連載では、自分が「一番わかり易いし見た目にも楽しいな」と思える記号を使いたいと思う。趣味でやる分には、あまり気にしないでいいと思う。

 しかし工業を学ぶ若い人は、どのような変更が行われたかを自分で調べ、新しい書き方に順応しつつも、旧記号で書かれた回路図を見ても困らないようにしていてほしいと思う。


それほど守られていないのでは

 ところで、改正前には JIS の旧記号をみんな守って使っていたかというと、そうとは思えない。以前から規格の変更がたびたびあったようで、色んな記号があちこちで混ざって使われてきた。JIS の旧記号を見ると、こんなの使ってるの見たこともないよ、というものが入っていたりもする。

 いろんな人が少しずつ違う記号の使い方をしていたが、あまり困ることもなかった。

 自分は一連の記事を書くために最近になってあちこちの書物を調べまわっているのだが、昔も今も、JIS の記号をきっちり守っている人なんてほとんどいないようなのである。


昔話など

 自分が小学校で学んだ豆電球の記号は、趣味で読んでいた古い教科書のものとは違っていたし、大学生の頃には○にバッテンを書いた、とても豆電球とは思えない記号に変わってしまっていた。

 トランジスタの記号も、丸で囲っていかにも独立した部品のようなイメージがあったが、いつの間にか丸を書かないものも混じりだした。近頃はトランジスタは IC の中に多数の部品と共に封入されているので、単独の部品というよりは「機能」としてとらえられるようになってきたのだろう。

 発光ダイオードもそうだ。

 抵抗の図記号は次のように変わった。

 確かに作図は楽だが、いかにも「電流を流さないように抵抗している!」という直感的なイメージはなくなってしまった。元々はぐるぐる巻にしたニクロム線のようなものを図案化したものであるが、近頃は 1mm くらいの直方体のような部品になってきているので、新規格の方がイメージに合うのかも知れない。

 しかし近ごろは抵抗だけでなく、コンデンサもトランジスタも発光ダイオードも、みんな 1mm くらいの直方体部品(チップ部品、チップ抵抗、チップコンデンサなどと呼ばれる)になってしまっているのだが。

 今回の記事はあまり大した内容を含んでいないが、「あなたの記事で使ってる記号は JIS 新規格と違っている古いものですよ」という少々おせっかいな指摘をする人への牽制である。