アニメよ、愛を描け!

安易な世界は陳腐すぎて見てられないのです。


 理屈のないナアナアの世界観。
あるいは、設定が細かい、とか言われて話題になっている割には
ただの神話の寄せ集めだったり、言葉だけのものだったり。
 その設定がこっそり生かされてなければ無意味だ。
その設定がストーリーに絡んでこなければただの
ゲームの隠しキャラと同じだ。

 それを設定が深いと騒いでいるオタクたち。

 気力や根性だけで何とかなってしまうストーリー。
違う!違う!違う!
 ただの根性だけでは世の中はうまく行くはずはないのだ。
今のアニメよ!努力を描け!
 血のにじむような、精神の限界を示すような苦労を描け!
最近のアニメは描写が貧困だ。
 血を流せば努力したことになるのか。
発狂すれば苦しんだことになるのか?

 違う!

 苦しい中でもやっとのことでひねり出す笑顔や、
自らの板ばさみの中でも、他人に対して差し伸べる愛の手こそが
本来の『精神力』なのだ。
 特別な力で何とかなってしまうようなものじゃないのだ!

 グレートマジンガーか、マジンガーZだったか忘れたが、
コックピットがやられて、主人公が閉じ込められて、灼熱の地獄になった時、
自らはもう息も絶え絶えになりながらも、どこからか
紛れ込んでいた蝶々を割れた窓の隙間から逃がしてやる・・・、
ああいう繊細な「愛」や「正義」を描けないのか!

 『発狂』は逃げだ! 発狂は逃避なのだ。
狂いそうな状況にも関わらず、それでも冷静を保つ精神力を描写せよ!
そんな状況下でも他人に愛を示す心の強さを描け!


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