少年犯罪は理解できないだろうか

どうもメディアってやつは一方的過ぎる。


 少年犯罪が増えている。

 テレビのニュースをみると、 「どうしてこんなことをしたのか、 全く理解できませんねぇ」と大人たちがしゃべる。

 ・・・うそだろ・・・? みんな口を揃えたように何を言ってるんだ?  私たちが知識人だと思っていた彼らは そんなことも分からないのだ。

 このような犯罪が起こる原因は そういった簡単なことも分からない大人たちの責任ではないのか、と思う。

 いや、ちゃんと彼らの気持ちを分かっている大人たちはいるのだ。 彼らは、若者の理解者として、世の中に散らばって存在している。  ある人は学校の先生だったり、若者を集めて遊ぶスポーツ好きの青年だったり、 マニアックなサークルのリーダーだったり。  しかし、その人数はあまり多くはない。  彼らの代表者は「その道に詳しい○○先生」と呼ばれる人の中にもいて、 時にテレビに出て来ることがある。

 彼は「それは、そう難しいことではありませんよ」という。
 すると司会者は、「えっ、そうなんですか?」と疑いの目を向ける。
 どうやらメディアは「理解できない若者世代」という印象を作りたがっているようなのだ。

 メディアは、分かりにくい抽象的な説明をする方の「先生」を使いたがる。  彼らは分かったような顔をして、分かりにくい理論を語る。  理解しにくいことは理解しにくいままにしておきたいのだ。  そうすれば、一般大衆は理解するための努力をしないままでいる言い訳が出来る。
「それは私なんかには難しすぎる問題なのだから」と。

 本当は簡単なことなのに。どうして理解しようとしないのだ。

 世は『考えなくても良い社会』を目指しているのだろうか。

 この考えには反論がある。
 メディアが若者の行動に対して理解を示さないのは、 社会道徳的に良くないから肯定するわけには行かない、という表面上の正義からくる理由かも知れない。

 しかしそうだとすれば、これこそ、考えてない証拠の一つである。


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