実は私は元おたく

 これは前書きみたいなもの


 今まで黙っていたが、実は私は元オタクなのだ。  どうして「元」なのかと言えば、最近それほどチェックを入れてないのだ。  だから「オタク」を名乗るには恥ずかしい。  ちゃんと文脈を読めよ。  「オタク」が恥ずかしいんじゃないんだ。  自分が「オタク」であったことを誇りにしていたんだ。

 私は友人たちから「本物」と呼ばれていた。  なぜか?  私は「ビデオ」をむやみやたらにチェックしたりしないし、  特に大それた「コレクション」もない。  すべて自らの記憶で語るのだ。  私は声優や作画監督は一切知らないが、作品にのめりこんでいたのだ。  アニメや特撮の歌は、好きだから自然に覚えるのだ。  毎日歌っていたから忘れようがない。  別に、それを誇りにするために努力して覚えたのではない。  私の心の歌だったのだ。

 風の谷のナウシカは何百回観ただろう。  全カット説明できたし、一人でせりふをすべて再現できた。(効果音つき)  今じゃ、大分忘れちゃったなぁ。

 ラピュタでは、瓦礫とともに落ちてゆくムスカを見つけたよ。 (知らない人は探してみよう!初めて見つけたときは感動で笑えるよ。)  私はあの作品は、好き、とか嫌いとかではなく、私の一部だったのだ。  あの頃からだ、私が空を見上げて歩くようになったのは。

 しかし、最近、情報伝達の進歩によって にわかオタクが増えてしまった。  俺しか知らなかったはずの歌を(思い込み)みんなカラオケで歌えるようになってしまった。  努力無しに「知ってる」やつばかり増えてしまった。
 だからと言って、別にどうでもいいのだが。

 ある日、アニメ特撮の放映リストを見つけたら、 私の生まれた年を境に、知ってるアニメと知らないアニメがびしっと分かれた。  私の生まれた歳の前の年に始まったアニメ・特撮は知っていたが、 それ以前は知らないものばかりだった。

 つまり、0歳の頃から親がすべて見せてくれていたことになる。  私はそんな親に感謝する。

 そして、自分でも驚いたことに私は0歳の頃から覚えてるってことだ。  誰も信じてくれないけれど、私にはちゃんと記憶があるのだ。

 大学時代の心理学の先生などは、「それは人から聞いた記憶を自分のものと 勘違いしているのだ」などと自分では本当は知らないことを 本当であるかのように説明してくれたが、誰に分かるものか。  私は確かに覚えてるのだ。
 アニメだけの話ではない。 驚くほど鮮明に・・・。

 話がそれそうだから、この話は止めておこう。  話がそれると言っても、もともと、テーマのない話だったな。  とにかく、そんな私が、これから物理とはあまり関係ない話をちょっとずつ書いてゆこう。    


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