エネルギーと運動量

今回の話はとても短い。

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エネルギーと運動量の関係

 前回の話で、ある領域内にある電磁波の持つ運動量が、
\[ \begin{align*} \frac{1}{c^2} \int \Vec{E} \times \Vec{H} \diff V \end{align*} \]
と表されることが導かれた。これはすなわち、電磁波の単位体積あたりの運動量が
\[ \begin{align*} \Vec{w} = \frac{1}{c^2} \Vec{E} \times \Vec{H} \end{align*} \]
であることを意味する。この\( \Vec{w} \)を「運動量密度」と呼ぶ。この形はまさに、電磁波のエネルギーの説明のところで出てきた「ポインティング・ベクトル」を\( c^2 \)で割ったものである。そしてポインティング・ベクトルは、単位時間当たりに単位面積を通過する電磁波のエネルギーを意味するのであった。このことから電磁波の運動量とエネルギーの間にある関係が導くことが出来る。

 電磁波は単位時間あたりに距離\( c \)だけ進むので、単位面積と距離\( c \)をかけた体積内に存在する電磁波が、単位時間に単位面積を通って駆け抜けることになる。つまり、ポインティングベクトルの絶対値をこの体積で割ってやったものが電磁波の「エネルギー密度\( u \)を表していることになる。

\[ \begin{align*} u = \frac{1}{c} |\Vec{E} \times \Vec{H} | \end{align*} \]
 これらから、電磁波の運動量密度とエネルギー密度の間には
\[ \begin{align*} u = c |\Vec{w}| \end{align*} \]
の関係があることが分かる。あまりにも見事なすっきりした関係である。運動量とエネルギーを別概念として捉える必要などないのではないかと思えるほどだ。その話題については相対論のページでさらに語ることにしよう。


光の粒子説

 アインシュタインは金属に光を当てたときに発生する電子についての考察から、光は波ではなくて粒として存在するのではないか、という結論を得た。これについての詳しい話は量子力学のページで行う。電磁気学では確かに波として扱われている電磁波が、実は粒子として振舞っていると考えなくては説明の出来ない現象があるわけだ。

 そこで運動量密度とかエネルギー密度とか言っていた概念は光の粒が持つ運動量とエネルギーという概念で置き換えられることになる。すなわち、光子はエネルギー\( E \)と運動量\( \Vec{p} \)を持つ粒子であり、その間には

\[ \begin{align*} E = c |\Vec{p}| \end{align*} \]
という関係があるとしておけばこれまでの電磁気学に関する実験結果を説明するのに矛盾がないわけだ。

 この関係は相対性理論の結果からも導かれるのだが、その点は見事であり、あまりにも美しい。たとえ単位の次元からそのような形になるだろうな、という予想がついたとしてもだ。

 「相対性理論は間違っている!」と声高に主張する人々が世の中に多くおり、何も知らない人々は声の大きい人に従う傾向があるのだが、そういう人々は相対性理論が電磁気学の構造と深い関わりを持った理論であって、容易には否定できないことを悟るべきである。