ファインマン特集

最近、ファインマン関係の本に凝っています。
一体、どれだけ出てるんだ?
今後読む予定のものも含めて、まとめてみたくなりました。


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軽い読み物
 あまりに有名なベストセラー。文庫本で読めるってのはありがたい。 コンパクトで読み易いし、安く手に入るからな。

 ファインマンの子供時代からの色々な面白い経験が書かれている。 中は沢山の小さな話に分かれていて、一続きの長い物語ではないので、まずは気楽に上巻だけでも読んでみたらいいと思う。 きっと下巻も読みたくなると思うけれど。

 数式やら、ややこしいものは出てこないのでご安心を。 科学に関心のない私の妻でさえ喜んで読んでたくらい。
 これも文庫本。 「ご冗談でしょう、ファインマンさん」の続きのようなもの。

 若くして亡くなった奥さんのこととか、チャレンジャー号の事故調査委員会のメンバーとしてのこととか、ちょっと長い講演録とかが含まれていて、ちょっと真面目。
ラルフ・レイトン 著
 トゥーバという共産圏の体制下にある国を旅行したくなったファインマンさんとお友達が一緒に努力する話。 実は主人公はファインマンさんではなくて、この本の著者である。

 この著者は地理の先生。 「ファインマン物理学」の共著者であるロバート・レイトン教授の息子。 ファインマンさんとは一緒にドラムを叩いて楽しむ仲だったらしい。

 「ご冗談でしょう」の本ほど痛快なエピソードの数々が載っているわけではない。 しかし、ファインマンさんが癌で亡くなる数年前にどんなことに興味を持って、どんな風に過ごしていたのかが少しだけ伝わってくる。
 1964年11月に行われたファインマンさんの講演録と、翌年のノーベル賞受賞講演録。 どちらも一般向けに行われたものなので、難しい数式は出てこない。

 それでも学べることは沢山ある。 私だったらどんな人にお勧めしようか……。 うーん、物理が好きな人だったら誰でもいいと思う。
 1982年に行われた講演録。 ファインマンの理論(量子電磁力学)を素人向けに解説するのが目的。

 数式やベクトルを出さないで同じことを説明しようと工夫していて面白い。 ベクトルなどの扱いを良く知っている読者なら、ふふーん、と鼻歌まじりで読めるだろう。 しかし「入射角と反射角は同じ」などと疑いなく信じてしまっている人にとってはちょっと常識が覆るかも。
 「ファインマンさんベストエッセイ」という本を改題して文庫化したもの。 あぶねー! 知らずに両方買っちゃうところだったよ。

 未読。
 三回にわたる続きものの講演をまとめたもの。 社会の仕組みや人々の考え方がいかに合理的でないか、というような話。 ファインマン関係の本なら何でも読んでおきたいというファンなら読んでみるのもいいけれど、何のことを言ってるのか分かりにくい部分が多かったり、途中ちょっとだらけて焦点がぼけているような印象がある。 大事なことも言っているのだが現代の観点からするとそれほど役に立つ内容でもないと感じた。
レナード・ムロディナウ 著
 聞くところによると、こちらは晩年のファインマンさんの陽気でない側面が描かれているらしい。

未読。
 手紙まで覗き見しようとは思わないのだが、興味がないわけではない。 死後に手紙が公開されるのって、恥ずかしいよな。

 娘さんが編集してるのか。

 未読。
クリストファー・サイクス 著
 BBC による本人へのロングインタビューと周辺取材の資料を基に書かれた本。

 未読。
ジェームズ・グリック 著
 ニューヨークタイムズの科学記者が、ファインマンの死後に資料を集めて書いた真面目な伝記。 第2巻まである。

 未読。



ちょっと専門的で、軽いとも言えないかも
ファインマン他 著
 データベースによると「物理の苦手な学生向けに微積分入門から力学の入り口までファインマン独特の極意を伝える講義録」らしい。 一種の教科書かな……?

 読んでみたい気がする。

 旧版はこちら
ファインマン、ワインバーグ 著
 ディラック記念講演の記録で、ファインマンだけでなく、ワインバーグの講演も一緒になっている。

 これも文庫本なんだけど、このレベルになると私にはきついんだよね。 買ってはみたけど読まずに置いてある。
D.L.グッドスティーン、J.R.グッドスティーン 著
 ニュートン力学をニュートンの時代のように幾何学を使って説明することを試みたファインマンの講義録。

 原題は、「失われたファインマンの講義(Feynman's Lost Lecture) 」。 この講義の記録資料は長らく紛失していたそうだが、後に発見された録音と彼が講義の準備のために書き残したノートを解読することによって、読み物として再現することに成功したらしい。 黒板の写真がなかったためにかなり苦労したそうだ。
ファインマン、ヒッブス 著
 普通に、難しい専門の教科書。もうお手上げ。
ファインマン他 著
 量子重力についての専門的な講義録のようですね。
ファインマン他 著
 ファインマンの幾つかの講演をまとめたもののようです。
彼は量子コンピュータの初期の提唱者の一人でもありました。



ファインマン物理学
アマゾン書影
(1) 力学
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(2) 光・熱・波動
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(3) 電磁気学
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(4) 電磁波と物性
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(5)量子力学
以上、全5巻


 ファインマン物理学の日本語訳。 全部集めると2万円近くになってしまう。

 しかも翻訳の評判が悪くて、どうも買う気が失せてしまう。
 本当に訳し方が下手なのかどうか、今度、試しに買ってみることにするか。

(追記:下手というか、現代風ではなくなってきているようだ。 原語の軽いニュアンスがお堅く訳されていたりする。 50年も前の訳だから仕方ない。 チェスというまだ日本人に馴染みのない西洋文化がそのまま伝わるか不安だったのか、苦し紛れに将棋と訳したりする場所もあるわけだ。)


(追記:英語版へのリンクは全て外しました。 今はこちらで無料で読むことができるようになっています。)

 英語版ではハードカバー版やペーパーバック版や増補版やミレニアム版など、色々と出続けているようです。


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