流体力学

ちょっと応用的な匂いのある基礎分野です。
しかしこれがなかなか興味深いのです。

今や、水道管や原子炉の配管の設計、
高速輸送システムの設計、
プラズマの制御、天気予報、
地球深部のマントルの流れ、恒星内部の理論など、
あらゆる方面へと応用が広がっています。

工学者向けの実用的な教科書や、
適用範囲をかなり絞って書かれた専門書は多いのですが、
ここでは物理的な理論を中心とした
総論的な本を並べてみました。


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初級レベル 全体をさらっと眺めるところから始めましょう
石綿 良三、根本 光正 著
 流体に関連するどのような現象があるかについて数式を使わずに紹介してくれています。 34個のテーマに分けてあり、そのそれぞれについて身近なものを使って実験する方法がたくさんの図を使って説明されています。
恒藤 敏彦 著
 まずはこのような軽めの本で基礎的な知識を身につけると良いかもしれません。 タイトルは「弾性体と流体」となっていますが、大部分は流体力学に関係のある話です。 最初の2章で弾性体と流体に共通する話が出てきて、最後の第7章で弾性体の話が出てくるという構成です。
佐野 理 著
 比較的最近書かれた評価の高い入門書です。 前半は弾性体について、後半は流体について丁寧に説明されています。



中級レベル おそれず理論へと飛び込んでしまいましょう
今井 功 著
 流体力学で扱われる一通りのことが載っている教科書です。 さらに詳しい分厚い教科書に進む前に慣らしておくのも良いですし、 あまり詳しく学ぶつもりがなければこれくらいを学んでおけば十分だとも言えそうです。
今井 功 著
 初版が1973年ですが、いまだに名著として評価の高い教科書です。

 著者がお亡くなりになったので後編はついに未刊となってしまいました。 しかし前編だけでも基本的なことは十分に収録されています。 後編で説明される予定だったのは「境界層や乱流」「高速気流」「電磁流体」などです。
 電子書籍版も出ています。
日野 幹雄 著
 分厚くて詳しいです。 専門度の高い教科書ですから少々の不親切さは仕方ないとも思います。 この一冊だけで学ぼうとすると不満も出るかもしれませんが、他の教科書と合わせて読むと有用な情報を提供してくれます。 私の個人的な印象としては、難しいわけでもないけれども、もっさりとした感じです。

(前書きによると1970年頃に出た本が1992年に大幅に改訂されたもののようです)
巽 友正 著
 早い段階でナビエ・ストークス方程式を出しておいてから条件を絞って各論に入る形の教科書です。 他の教科書では徐々に条件を加えて方程式を複雑にしていってそのたびに様々な例を語り、 最後の方でようやくナビエ・ストークス方程式にたどり着く形のものが多いです。 その点だけでも整理されて書かれている印象があります。

 初版が1982年でしばらく入手が難しい状況にありましたが、近頃めでたく増刷されました。 この分野は新しい教科書に飢えている感じがあります。



上級レベル マニアならいつかは挑戦してみたい
日野 幹雄 著
 とても価値ある資料ですが、たいへん高価なため、本当に必要とする人が買えば良いと思います。ここには飾りで置いています。

 ネット上では発売と同時にみんな買っていました。
ランダウ、リフシッツ 著
 ランダウの物理学教程の第6巻を翻訳して二分冊にしたものの上巻です。 古い教科書ですがまだまだ学べることも多くあるようです。

 残念ながら絶版です。興味のある方は中古で手に入れるか、図書館などで探してみてください。
ランダウ、リフシッツ 著
 その下巻です。

 残念ながら絶版です。興味のある方は中古で手に入れるか、 中古価格がつり上がってしまっていますので図書館などで探してみてください。


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