俺は昨夜(9月19日夜)、一生懸命働いて稼いだ貴重なお金をドブに棄てた。 貴重な時間を使って映画「ファイナルファンタジー」を観てきてしまったのだ。 実に稚拙なストーリーであった。
毎度のごとく妻と見に行ったのだが、
「CGがすごかったね。」「メカの造りが凝ってたね。」
くらいの話題しか提供してくれなかった。
あれだけ宗教がかった設定をしておきながら
結局は唯物論的であるし、設定が全く生きていない。
異端視されている博士を描いておきながら、
映画を作った張本人はきっと異端視されることを恐れているのだ。
結局何が言いたい? 何を伝えたいのだ?
作品にどんなメッセージが込められていると言うのだ? 単なるカッコいいシーン、カッコいい設定の継ぎはぎなんだよ。 地球のスピリット、ガイア仮説にどんな思い入れがある? 人間の霊体についてどんな思い入れがある? 迫害される者の背負う重荷を知っているのか? 死を目の前にした時の恐怖を知っているのか? 仲間と成功を分かち合う喜びはどこにある? 命の尊厳はどこにある? これでは熱いスピリットが伝わるはずがない。 (映画中でスピリットという言葉を散々使いながら 彼らは全然分かっちゃいないのだ。) 人が作品のどこに感動するかを教えてやろう。 それはそれを作った者の情熱である。 それを見る者の心との共鳴である。 同じ心、同じ魂の叫びを持った者にしか感じられないのだ。 いくら表面を繕おうとも。 しかしこの映画に共鳴するやつらもいるのだろうな。 俺のオタクの友人たちはヤマもオチも意味もない漫画を喜んで買って来ては 「今度こそ面白いから。君にチャレンジする。」とか言いながら 次々と家に持ってくるし。 好みの問題なので責められない。 それに商業を支えているのは彼らのような人種なのだし。
ところで映画「A.I.」は売れる映画を作ろうとして計画されたらしい。 そこでスターウォーズが引き合いに出されたそうだ。 「なぜあんな陳腐な映画が大ヒットしたのか?」というテーマで議論がなされた。 スターウォーズが陳腐だって?! 何を的外れなことを・・・。 それでどうやら、 「ファンタジーや、昔ながらの童話の焼き直しをすればウケるのだ」 という結論になったそうだ。 その結果があれ。 (原作はあんなのじゃないんだよ。ピノキオなんて混じってないし。) ああ、分かってない!分かってない! なぜスターウォーズが大ヒットしたのか!? それは作品に情熱がこもっているからだ。 商業主義と戦いながら、それでもこだわりをもって 自分の表現したいものを作り出したから成功したのだ。 あれを作るためにかなりの反対を押し切ったと聞く。 その証拠に、スターウォーズの最新作エピソードTは駄作だった。 前の作品を見ていない人は、 「それなりにいいんじゃない?」と言うが、映像に騙されている。 もうルーカスにはスターウォーズに掛ける情熱が無いのが丸分かりだ。 彼は「本当は歴史モノが作りたいんだよ」なんて言ってるし。 私はルーカスを責めない。 歴史ものに期待しようじゃないか。 みんな商業主義に負けるな! 夢を形にするんだ! 情熱をぶつけるんだよ!!
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