大槻教授によると日本人の4人に一人は見ているという統計があるらしい。 しかし、私の周りではこれまでに一人もいない。 おそらく性格によるのだろう。 関心のない人にとっては例え目の前にあっても気付かないのだ。 最近では流れ星だって見たことのない人が増えていることであろう。 初めて人魂を見たのは高校生の頃だった。 学校帰りの道路で何の気もなしに空を見上げたら、 青白い・・少し緑っぽい発光体が音もなくすごい勢いで走り抜けていったのだ。 それはゆらゆら燃えているようであり、15mほどの高さを一定速度で水平に 一直線に移動した。
「おお、初めて見た! あれがリンが燃えているという現象か。
実際にあるとは信じなかったよ。
実際に見たと言って聞かない人を納得させるための科学的な言い訳だと思っていた。
確かに神秘的だなぁ。」 次に見たのは、お盆の時だった。 1キロほど離れた川で毎年花火大会があるのだが、 わざわざ近くまで見に行かなくても我が家の屋根の上は特等席だった。 花火がひと段落ついたところで横になって、気持ちいいなぁ、と星空を見ていたら、 突然、私の視界を発光体が横切ったのだ。 私から見て5mほど上空を・・・つまり、やはり地面から15mほどのところを チラチラと燃えながら前と同じように飛んでいくのだ。 花火をやっていた方角から飛んできたので、花火がきっかけでリンに火がついたのかな、と思った。 まあ、その後も時々見かけるのだが、 共通しているのはいずれもお盆の季節だということだ。 お盆には死者の霊が帰って来るとか、霊界との距離が縮まるのだとか言うのではない。 多分、昔の人はこの季節に人魂をよく見たので、 この時期には死者の霊が帰ってくるのだと考えてお盆の習慣を作ったのであろう。 しかしだ。 未だによく分からないのだが、 もしリンが燃えているのだとしたら、リンはどうして棒状に空中に存在していられるのだろう。 リンの気体が暖かい空気と冷たい空気の中間の密度であるという説明は このことを説明していない。 最近は火の玉と言えばプラズマ説が主流のようである。 大槻教授が火の玉の正体はプラズマだと主張して熱心に研究をしておられ、 テレビでも断定的な言い方をするものが多い。 「科学的」と言われれば何でも信じる最近の一般人は、 私が火の玉を実際に見た、と言うと、 「ああ、あれはプラズマって話だよー」と言って笑う。 私が「科学はえせ宗教と同じだ!」と主張する理由はここにあるのだ。 私は未だにプラズマ説には疑問がある。 よくテレビでやっている「人工火の玉」は私が見たのとは違うのだ。 それにテレビではプラズマ発生の仕組みを詳しく解説してくれない。 そして、あのような機械を使って発生させるようような条件が なぜ自然界で作られるのかも分からないのだ。 こんなに身近に謎はあるのに、何をテーマに研究しようかと 迷う人の気が知れない。
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