神々の試験場

物理を学ぶロマンチストの詩






 この世界では、物質は何も知らない振りをする。

 しかし、彼らは知っているのだ。

 我々が本当は何者であるのかを。
 この地上に来る前の栄光ある位を。




 彼らは我々を試しているのだ。

 その口に偽りがないか、
与えられた力を賢明に使えるか、
全てのことに愛を持って接するかを。

 我々を新しい神として認め、
その力を貸し与えるのに ふさわしい存在であるか否かを。




 その時が来るまでは偉大なる立法者の号令により、沈黙を保つ。

 彼らは高位の律法の一面にのみ忠実であるように求められる。
 良き者にも悪しき者にも、物理法則に従い力を与えるようにと。



 ああ、誰か答えよ。
 クォークに3世代が存在する理由を。
 地上の物質と同じ機能を持った使われないままの素粒子群。
 それには創造の目的があるのか、無意味な偶然によるのかを。

 ああ、誰か答えよ。
 人が神の子と呼ばれる理由を。




 その日には万物が喜びたたえる。
 地上の試練に勝利した王、新しい神々の誕生を。

 ああ、誰か答えよ。
 人は皆、その試練を受ける権利を勝ち取ってここへ来た。
 それを忘れ、容易く悪を選ぶのは何故かを。






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