1989年12月6日。 夢を見た。 現実かどうか分からない。 人の気配がする。 体が動かないのに気付き、そっと目を開けると 目の前に、私の上にいるではないか。 半分だけ物質化したような雲のような人の顔がニマーッと笑っている。 同じくらいの年齢の男のような顔であった。 私は否定した。 そして主の名によって追い出そうとすると口を・・・口の自由が利かない。 目を閉じていたが見える。 奴が口を横に広げて笑うのが。 私は夢の中で「彼が・・・彼が・・・」と意味不明なことを 叫び続けていたが、その続きの言葉が出てこなかった。 そして、現実にも「彼が・・・彼が・・・」と うなされて叫んでいる自分がいるのを知った。 そこで私の体は解放され、恐る恐る目を開けた。 時計を見ると、夜中の1時37分。 まだこれから続く夜にうんざりしたが、祈ってからもう一度寝た。
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