我が翼、我が愛機

とうとう俺もあの事を思い出した


 1989年12月28日。

 私は夢の中にいた。
丘の上から眼下に開けた草原を見ていた。
 私はそこで、大きな発見をしたのだ。
それまでずっと捜し求めていたもの。

 草原の中に長い道が作られ、そこに、
人工の「翼」があった。
 そして、その周りで10人くらいの人たちが集まっていた。
「ああ、僕と同じことをしている仲間がいた!」
「本当にいた!」

 僕は丘を駆け下りていった・・・・。

 そこで目が覚める。

 ぼんやりとした感覚の中で私の口はひとりでに動く。

「愛機ミンナ・ガルラ・・・・・ララ・・」

 私の頬に涙が伝っていた。

 俺、泣いてるのか?

 何で泣いてるんだろ?
そう言えば俺、今、何かつぶやいたような・・・
 確か・・・愛機ミンナ・ガルラって言ったよな。
後の付け加えたような「ララ」って何だ?
 何でそんなこと言ったんだろう?

 部屋を出ようとすると、急に夢の記憶が蘇る。

 ララ? ミンナ・ララだ。
何で分かるんだ? 黒塗りに赤いラインのが私の翼「ミンナ・ガルラ」で
白塗りに青のラインが「ミンナ・ララ」だ。

 俺はあそこにいた!
それであいつに乗る事になったんだ。


戻る