2002年から実施されることになっている指導要領によると、
小学校では、円周率はおよそ3である、と教えることになるらしい。
板金工場を経営する私の父は
「それではウチのパイプは丸くはならん!」と憤る。
円周率の影響は先端科学だけではない。
円周率が3.141592・・・と無限に続く神秘の数であることを、
あるいは、それは実感として3.14くらいであることを
これからの世代は誰が管理してゆくのだろうか? つまりだ、私の言いたいのは、 これから社会はますます「管理する者」と「ただ従う者」 に分かれてしまうのではないかということである。 従業員は賢い経営者にただ従っていればいいし、 職人は賢い開発部の連中の設計通りに作ればいいし、 愚かな国民は事情通の政治家に従っていればいいということか? 円周率くらいでそこまで想像するか、と思われるかもしれないが、 それだけなら私にここまで書かせることはなかったであろう。 私が本当に問題にしたいのは、このようなことを決めた連中の 短絡的思考についてである。 今回の改定で変わるのは円周率の教え方だけではない。 いろいろな分野で問題はあるが、 とりあえず物理に関係のある重大な部分だけを挙げるとすれば、 理科の教科書から「エネルギーの概念は残すけれど 「仕事」の概念を教えるのをやめましょう」ということがある。 誰がそんな馬鹿なことを決めるのであろうか? おそらく、物理がそれほど得意でもなくお役所へ行った連中である。 エネルギーの概念について真に理解していなければ次のように考えることであろう。 気持ちは分からないでもない。
確か中学とかで「仕事」について勉強した気がするけど、結局何にも使わなかったなぁ。
わざわざこんな古臭い概念をいつまでも教えることはないんじゃないかな。
時代遅れだ。 ああああああああああああああああああああああ!!! きちんと理解してないのは誰だ!ってのだ。 エネルギーの概念は仕事そのものなのだ。 仕事の概念無しに語れないものなのだ。 それを教えないでエネルギーについて教えろとは、 一体エネルギーの何を教えろと言うのだ? 教える内容を減らすのじゃなくて、教える方法を考えろ、ってのだ。 何で頭を使わないのだろう? 本当に誰も、何も考えなくなっているのか?!
頭の使い方を知らないのか? ・・・・そうだよね。(ニヤリ
この記事についての注釈 (2006/6/5)今となっては忘れた人も多いことだろう。 当時この大騒ぎがあったことを。 そしてそれがマスコミの煽ったデマだと分かったことも。 いたるところで新指導要領に反対するサイトが立ち上がっていたが、 それが分かってきて、みんな自然消滅していった。今や、この記事の真意は当時の雰囲気を知らない人には非常に分かりにくいものとなってしまった。 本当は今更こんなことは野暮なことであまり言いたくなかったのだが、 ちゃんと説明しておかないといけない。 この記事が発表されたのが2002年6月。 私はそれより1年前から題名をずっとリストに載せていたが、 敢えて発表を遅らせていた。 なぜかって? もはや円周率が3として教えられるなんて心配がなかったことが はっきりした後で「馬鹿記事に見せかけた皮肉」と分かる形で発表したかったのだ。 受け取られ方がギャグで済んでいないぞ、このまま放っておいてはやばいぞ、と気付き始めたのが1年後。 数多くの新指導要領反対サイトは説明責任を果たすことなく、反対したまま消えてしまった。 いつ言い出そうか、いや、今更言わなくてもいずれ分かるだろう・・・と思って、 さらに3年が過ぎてしまった。 気がつけば、私自身がデマの旗手と成り果ててしまっていた。 2002年当時、このサイト全体のあちこちに私の悪ふざけが仕掛けられていて、 「トンデモ」とみなされるほどの雰囲気だった。 私はそれを楽しんでいたし、その受け取られ方を前提に気楽に記事を書いていたし、 今でもそういうところが残ったままになっている。 このサイトがこんなに目立ってしまって、 社会的な責任を負うことになるとは思ってもいなかった。 私が「悪ふざけ」を控えるようになり、 そのせいで私の記事をまるまる「信じる」人が増えてきてしまったため、 私はさらに「悪ふざけ」を控えなくてはならなくなってきてしまった。 ネット社会も成熟しつつあり、 ネット上に流す情報に対する見方も随分厳しくなってきた。 私自身も大人になり、私に対する社会の見方も厳しくなってきた。 だから、この注釈自体に「悪ふざけ」が含まれることを ちゃんと隠さず言っておかないといけないのだろう。
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