「光の湾曲」記事の補足

微分方程式の解き方。

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目的

 ここでは「光の湾曲」の記事中に出てきた、以下の 2 つの方程式の解き方を説明する。
\[ \begin{align*} & \ddif{w}{\sigma} + \frac{a}{r^2} \frac{1}{1-a/r} \dif{w}{\sigma} \dif{r}{\sigma} \ =\ 0 \tag{1} \\ & \ddif{\phi}{\sigma} + \frac{2}{r} \dif{r}{\sigma} \dif{\phi}{\sigma} \ =\ 0 \tag{2} \end{align*} \]
 これらの式は両方とも、
\[ \begin{align*} \dif{U}{\sigma} + f(r) \dif{r}{\sigma} U = 0 \tag{3} \end{align*} \]
という形式になっている。(1) 式の場合、\( U = \dif{w}{\sigma} \)であり、(2) 式の場合、\( U = \dif{\phi}{\sigma} \)であると考えればいい。それでこれからまず (3) 式の解き方を説明し、その後でそれを個別にあてはめて説明しよう。

 まず、
\[ \begin{align*} f(r) = \dif{F(r)}{r} \end{align*} \]
であるような関数\( F ( r ) \)があると仮定する。すると、(3) 式の一部分について、
\[ \begin{align*} f(r) \dif{r}{\sigma} \ &=\ \dif{F(r)}{r} \dif{r}{\sigma} \\ &=\ \dif{F}{\sigma} \end{align*} \]
という変形が出来るだろう。これを (3) 式に当てはめれば、次のようになる。
\[ \begin{align*} \dif{U}{\sigma} = - \dif{F}{\sigma} U \end{align*} \]
 この形の方程式の解はよく知られている、というか、ちょっと考えれば気付くことが出来る。
\[ \begin{align*} U(\sigma) = A e^{-F} \end{align*} \]
 これで終わりだ。


(1) 式の解

 (1) 式の場合、
\[ \begin{align*} f(r) = \frac{a}{r^2} \frac{1}{1-a/r} \end{align*} \]
であるから、\( F(r) \)
\[ \begin{align*} F(r) = \log_e \left( 1-\frac{a}{r} \right) \end{align*} \]
である。よって、
\[ \begin{align*} \dif{w}{\sigma} \ &=\ b \ e^{ \log ( 1-\frac{a}{r} ) } \\ &=\ b \ \frac{1}{ 1- a/r } \end{align*} \]
となる。


(2) 式の解

 (2) 式の場合、
\[ \begin{align*} f(r) = 2/r \end{align*} \]
であるから、\( F(r) \)
\[ \begin{align*} F(r) \ =\ 2\ \log_e r \ =\ \log_e r^2 \end{align*} \]
である。よって、
\[ \begin{align*} \dif{\phi}{\sigma} \ &=\ h \ e^{ \log r^2 } \\ &=\ h r^2 \end{align*} \]
となる。